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キョン子と、美少女になりたいオタク男子たち

キョン子・おぼえていますか

キョン子、というキャラクターをご存じだろうか。2006年に放送された大ヒットアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の主人公キョンを女性へと性転換させた二次創作キャラクターのことだ。もうほとんどの人は知らないか、忘れてしまったかだろうが、当時私はこのキャラクターのことがかなり気に入っていた。『ハルヒ』には三人のメインヒロインが登場するが、その誰よりもファンダムの中から発生したにすぎないこのキャラクターのほうが好きだったほどだ。当時風に言えば「萌え」ていた。

 最近では、2018年放送のアニメ『ポプテピピック』の最終話でキョン子ハルヒと思しき二人が登場し、ちょっとした話題になった。Twitterで「キョン子 since:2018-3-24 until:2018-3-26」と検索すると放送時に結構な人数が反応しており、「やっぱりみんなハルヒキョン子に見えてたのか」、「キョン子とかいうワード懐かしすぎて死んだ」、「今ならハルヒキョン子の百合を見たい」といったツイートが散見される。

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画像出典:【ポプテピピック】最終回12話の元ネタ・小ネタのまとめ〈https://matomame.jp/user/FrenchToast/a450eac378fdb3664b47?page=2

 アニメ『ポプテピピック』は、ネットミームを最近の新しいものから知る人ぞ知るものまで幅広くパロディとして盛り込んだことで話題となった作品だ。そんな幅広いネットミームの中で、キョン子はもはや後者の部類に入っていると言っていいのかもしれない。だが、当時の『ハルヒ』ブームの中で二次創作をネット上で楽しんでいたオタクなら、深入りはせずとも、いわゆる「性転換ハルヒ」の存在は知っていたという程度には認知度があったように思う。

 しかし、なぜいまさら忘れられかけているネットミームキョン子に注目しようというのか。それは、私のオタクとしての原点のひとつに、このキャラクターの存在があると思うからだ。そして、この経験はなにも私個人だけのものではなく、同世代のオタクたちの経験の中に位置づくのではないかと思えるからだ。具体的に言えば、最近の男性オタクたちが美少女になりたいという欲求をありふれた感覚として捉えていことと、キョン子というキャラが生まれ、それが受け入れられていった現象にはなにか通じているものがあるのではないか、ということだ。

 

腐女子が生んだキャラクターにオタク男子たちは堕ちた

 キョン子というキャラクターが創作され、オタク男子たちを魅了していった主な舞台は、ニコニコ動画だった。ニコニコ動画は、オタクたちが好きな作品の二次創作動画を投稿したり、それにコメントしたりしてコミュニケーションをする場として一時代を築いた動画サイトだ。とくに『ハルヒ』ブームは、そうしたオタク同士のコミュケーションを一気に加速させた。「性転換ハルヒ」もそうした流れの中で生まれた流行のひとつだ。

 その始まりを振り返ってみよう。アニメの放送から2年ほど経った2008年1月20日に『SOS団のみんなを性転換させてみた。…ちょっとカオス。』という動画が投稿されたのがそもそもの発端だった。

 動画内容は、キャラクターソングのCDジャケットをもとにして原作キャラたちを性転換させたイラストを紹介するというもの。 動画冒頭では、「だいたい発想が腐女子っぽいので...」と自嘲気味なアナウンスが入る。「性転換ハルヒ」の出発点は、『ハルヒ』のヒロインたちを腐女子好みのイケメンへと変換してみたらどうなるかといった発想からだったようで、「男→女」への性転換キャラはおまけのようなものだったことがうかがえる。この腐女子の発想から派生的に、オタク男子にも訴求力のあるキョン子というキャラクターが生まれたというのは、なかなか興味深い現象だ。

 しかし、この動画においてキョン子というキャラが誕生したわけではない。誕生に至るまでには、もういくつかの段階を経る必要があった。この動画の主人公キョンを性転換させたキャラのデザインは、女の子になったというよりキョンがただ女装しているといった感じである。

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 この動画は、「性転換ハルヒ」がブームになるきっかけとして重要だったと思われるが、とはいえ、この動画自体はそれほど伸びなかった。注目を集めたのは、約10日後の1月31日、投稿者の梅津氏がイラストを一部修正して改めて投稿した動画『SOS団とユカイな仲間たちを性転換させてみた。』からである。

  動画は、描き改められたイラストと、そのキャラクターデザインをもとに劇中のワンシーンを改変したイラスト(いわゆるコラ画像)を紹介する内容となっている。キョンの性転換キャラのデザインは、かなり女の子らしい容姿に描き直されている。とはいえ、まだキョン子のプロトタイプといった感じだ。なぜポニーテールなのかといえば、原作においてキョンはこの髪型にとくに萌えるという嗜好があり、その設定をなぞっているからだ。つまり、キョンがもし女の子になるとしたら、自分が萌える女の子の髪形を自分でもするに違いないという発想だ。

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 余談だが、この記事を書くために動画を見に行ったところ、ちょうど今年の2月になって投稿者コメント欄が追記されていた。追記には、投稿から12年経ち、その間に何度か動画を削除しようと思ったが、ひとつのブームとなって大きな反響を呼んだために思いとどまったとある。私がちょうどキョン子の思い出巡礼のようなことをしようと思った矢先のことだったので、あまりのタイミングの良さに驚いた。投稿者の梅子氏には動画を作ってくれたこと、そして、動画を残しておいてくれたことに感謝したい。

 「性転換ハルヒ」がファンの間でブームとなったのは、梅津氏の動画のさらに約一か月後、2月24日にもこみち氏が投稿した動画『ハ/ル/ヒたちを性転換させてみた*1』が起爆剤だった。もこみち氏の動画内容は、梅津氏の動画とほとんど同じであるものの、アニメの絵柄を再現したクオリティーの高いイラストだったこと、キャラデザが転換前の原作キャラをより自然に彷彿とさせる魅力的なものに更新されたことが起爆剤となった理由だろう。そして、この動画においてキョン子というキャラクターのデザインが確定するとともに、オタク男子たちはそのかわいさに意表を突かれてしまったのだった。

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 キョン子のデザインは、梅津氏のデザインからいくつか変更が加えられている。ポニーテールが短くなり、前髪がセミロングに、キョンの男子としては短すぎず長すぎない髪型が女の子のデザインに上手く落とし込まれている。そして、追加要素としてカーディガンが着せられている。以降、キョン子といえば、たいていカーディガンを着ているというのが共通認識になった。胸の大きさは描き手によってまちまちだが、もこみち氏によるデザインのように貧乳として描かれることが比較的多い。

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 今見ても、ボサボサな髪の毛のままうがいをしているところなんか、だらしないところに隙があってかわいいし、もうひとりの「男→女」性転換キャラである小泉一姫にぐいぐい迫られていても鈍感そうなところもかわいいと思える。ちなみに当時の私はキョン子以外にはとくに興味なかったが、今は百合が好きなので小泉には好印象を持った。一方、メインヒロインたちの「女→男」性転換キャラには、今でもまったく関心が持てない。全員が女の子の世界のほうがいい。

 当時、キョン子がとても新鮮に映ったのは、外見だけでなくその性格(いわゆるキャラ属性)との組み合わせによるところも大きい。キョン子の性格を称するために「ダルデレ」という言葉まで新たに造語されたほどだ。pixiv百科事典から引用すると、「ダルデレとは、『面倒くさいなぁ』と言いながらも『はいはい、分ったよ。 やればいいんだろ?』という具合に面倒がりながらも最終的には付き合ってくれる性格の事。 主に涼宮ハルヒの憂鬱の性転換ヴァージョンである涼宮ハルヒコの憂鬱シリーズのキョン子の事を指す*2」。

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キョン子の新鮮さをダイレクトに伝えてくれるキャッチコピー。

 もこみち氏の動画の投稿から一か月の間に少なくとも約300本の関連動画が投稿されていることが確認でき、かなり大きな盛り上がりをみせたことがわかる(もう12年以上前なので、その間に削除されてしまった動画もかなりあるだろう*3)。「歌ってみた」や「描いてみた」動画、そして、作り手同士が役割分担し、原作アニメを改変してキョン子たちを動かし声を当てたMAD動画などが作られていった。再生数の多い動画をいくつか挙げておこう。


ハルヒ性転換「射手座の日」完全版/"The Day of Sagittarius"[VoiceComplete ver]

 この魅力的なキャラクターたちをもっと動かしたいしゃべらせたいという思いがブームを過熱させたのだろう。当時の私も、原作にキョン子が本当に登場するのかもしれないといった気にさせてくれることを期待しながら、そうした二次創作を楽しんでいたものだ(正直なところ素人の声が入るとちょっとキツイな...とも思っていたので、ブームにノリノリだったかというと微妙だが)。私が好んでいたのは主にイラストやSSで、原作のイラストレーターいとうのいじ氏の絵を改変したコラ画像がとくにお気に入りだった。

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元はアニメDVDの限定版カバーイラスト。なかなか見つからず捜索が大変だった。

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今回の資料探しで発見したイラスト。すばらしい。当時の私ならPSPの壁紙にでもしていたに違いない。

   特筆すべきは、やはり「性転換ハルヒ」が当初腐女子向けであったことを超えて、オタク男子たちからも受け入れられたことだろう。とくにキョン子には、他の「性転換ハルヒ」のキャラたちとは明らかに一線を画した独自の人気があった。ブームがはじまると、2ちゃんねるにさっそくスレが立てられている*4。スレのタイトルには【目覚めたら負け】などとあるように、普段BLや百合に興味のなかったオタク男子たちが多少の戸惑いを覚えながらもブームを楽しんでいる様子が観察できる(当時の私は、2ちゃんスレは見ていなかったが)。

 とはいえ、「性転換ハルヒ」ブームは、それほど長続きしたわけではなかった。2ちゃんスレの多くはブームが始まって最初の一か月間に集中している。ニコニコ動画においても、「ハルヒ性転換シリーズ」タグが付いた動画を検索すると、現時点でヒットするのは全部で666件*5。そのうち、最初の一か月間の動画投稿数が全体のほぼ半分を占めている。一気にブームが過熱したものの、その後があまり続かなかったということだ。

 ネット上のブームというのは、往々にして燃料となるイベントや事件が定期的に起こらないかぎり、新鮮さを失って自然と沈静化していくものだが、「性転換ハルヒ」も例にもれずといったところか。視点を広げれば、「性転換ハルヒ」ブーム自体が『ハルヒ』ブームの中の一つのイベントであり事件だったともいえる。アニメの放送から2年が過ぎ、原作小説の続編が発表される気配もない無風状態だったところに「性転換ハルヒ」が現れたからこそ、一気に火がついたのだろう。

 また、「性転換ハルヒ」ブームが性転換や同性愛といった腐女子たちの嗜好(と、少なくとも当時のネット上ではみなされていた)を出発点としていただけに、嫌悪感を抱くオタクたち(おそらく主に男性)も多くいたことは言っておかねばならないだろう。今でこそBLや百合を題材にする作品は増えたし、そうした嗜好に対して理解も得られてきていると思うが、なにせ12年前のことだ。セクシャルマイノリティーやそれを題材とする作品への差別や偏見は今よりもずっと強かっただろう。

 

キョン子と、美少女になりたいオタク男子たち

 キョン子がオタク男子たちから戸惑いを伴いつつも支持された現象とは、いったい何だったのか。もう少し掘り下げるため、『ハルヒ』がそもそもどんな作品だったのか確認してみよう。

 『ハルヒ』において主人公キョンは、オタク男子の心理を重ねやすい存在として描かれている。キョンは、あまりひけらかしたりはしないものの、ふとしたときに「○○萌え」「○○属性」といったオタクワードを口にするキャラクターだ(いわゆる隠れオタクというやつか)。小説やゲームやマンガはしょせんフィクションであり、そんなものに夢中になるのは子供だと思いつつも、どこかでそんな面白い出来事が現実に起こらないかと期待している。そして、期待した通りの面白おかしい大事件に巻き込まれていく。

  こうしたオタクの自意識を織り込んだ作品というのは、1990年代中盤ごろから作られるようになり、その後、その傾向が受け継いでいった作品群は「セカイ系」と総称されることが多いようだ。『ハルヒ』も「セカイ系」の系譜に連なる作品とみなされている。

 「セカイ系」という言葉を通して、90年代中盤からゼロ年代の終わりまでのオタク文化シーンを総括した前島賢氏の『セカイ系とは何か』(星海文庫、2014)によれば、「セカイ系」とみなされる作品の核となっているのは過剰なまでの自己言及にあるという。

 これらの諸作品は、ほとんど過剰なまでに、自分たちの出会う不思議な登場人物や事態が、フィクショナルでチープなもの(ロボットアニメ、侵略SF、変身ヒーローもの、本格ミステリ、そしてセカイ系)でしかないと作中で指摘し続けるのである。

 しかし、それらをちゃかしたり笑ったりするのではなく、きわめて深刻な自意識の悩みという主題を展開する。(pp.144-145)

 こうした特徴は、たしかに『ハルヒ』にも当てはまる。そして、この「自意識の悩み」の主体は、少年、男子であることが自明になっているのも重要だ。「自意識の悩み」というのはあくまで、ロボットアニメやアクションヒーローものに燃えたり、美少女に恋をしたり、悲劇のヒロインに涙したりするオタク男子の欲望や葛藤のことなのだ。『ハルヒ』においてこの主体は、主人公であるキョンが担っている。

 しかし、『ハルヒ』ブームの中から生まれた「性転換ハルヒ」においては、欲望の主体がかく乱されることになった。オタク男子の分身であるキョンからキョン子という美少女が生まれ、それをオタク男子が支持するというは、欲望や葛藤の主体が男性であるという前提を揺るがす事態だ。オタク男子たちが少なからず戸惑いを覚えたのは、腐女子の発想への嫌悪というよりも、それ以上に、そうした主体の揺らぎへの違和感や居心地の悪さが根底にあったからではないか。

 それにしても、現在から振り返ってみると、この程度のことで当時のオタク男子たちが戸惑っていたということに驚きを覚える。今では、百合は、注目度の高いジャンルであるし、愛好するオタク男子も少なくない。女の子のような少年キャラ、いわゆる「男の娘」も、今ではそれほどショッキングさはない。ツイッターアカウントなどのアイコンを美少女の画像にするのも普通のことだ。数年前から始まったVTuberブームでは、「バ美肉おじさん」*6バズワードとなったことも記憶に新しい。

 ネット空間の中でだけでも美少女の外見をまとっていたいという願望は、いまではありふれているように思う。現在の様相は、当時のオタク男子にとってとても想像できないものへと変化しているのだ。おそらく10年代以降のオタク文化シーンの趨勢が、12年の間でこれほど大きな認識の落差が生じさせたということだろう。

 では、ここ12年の間に何が起きたのだろうか。まず前提となるゼロ年代の状況を確認するため、ふたたび前島氏の『セカイ系とは何か』から引こう。

90年代からゼロ年代を通じ、オタク文化における、もっとも大きな変化は何かと言えば「萌え」の前景化だろう。それまではせいぜい巨大ロボットのようなメカニックであったり、膨大な世界設定であったり、あるいはアニメであれば緻密な作画であったり......とオタクたちが好む要素の、あくまで一部であったはずの「美少女」、「萌え」は、ゼロ年代にいたると極端に大きな価値を持つようになり、オタクであることが美少女に萌えることとほぼ等価で結ばれるようになった。(pp.14-15)

たとえば、『ハルヒ』の次に大ヒットしたアニメ『けいおん!』(2009年)は、「萌え」の前景化を極限まで推し進めた作品だったといえるだろう。このアニメのキャラクターは全員美少女で、物語から男性は周到ともいえるほどに徹底して排除されているからだ。

 この点に注目して、『けいおん!』は、オタク男子が美少女に求める処女性を提供しているのだといった批判をよく見かける。さらに、作品の本編が様々なシチュエーションの見本市として素材を提供し、それを二次創作同人誌などがアダルトコンテンツに仕立て上げることでオタク男子たちの性欲を満足させているに過ぎないという批判まである。「オタク男子の欲望」が作品に直接反映されることがなくなったのは、二次創作同人誌などが外部委託先となったからだというのだ。これらの批判は、『けいおん!』のヒット以降たくさん作られた美少女ばかりが登場する作品にも当てはめられることになる。

 たしかにそうした見方ができないわけではないだろう。だが、私はこうした作品の隆盛に別の契機を見出す。それは、「オタク男子の欲望」のために行われたかのように見えた物語における男性の排除が、つまり、男性のための男性性の疎外が、回り回って「オタク男子の欲望」を前提としない作品受容のあり方を生む契機となったということだ。いや、むしろ、「オタク男子の欲望」の中に、いままで想定されていなかった欲望が入りこんでいったというほうがいいかもしれない。それこそが、いまではありふれたものになった、自分も美少女になりたいというオタク男子の新しい欲求なのである。

 最近盛り上がりを見せる百合は、まさにいままでの「オタク男子の欲望」を前提としていない。しばしば百合カップルの間に割って入る男性の存在が忌み嫌われるように、男性の欲求を百合で扱うことは相応しくないとみなされることが多い。そして、重要なのは、たとえ百合作品の中で処女性が描かれているとしても、それは二次創作同人誌などに委託して男性に提供するためではないということだ。百合において男性性の疎外は、最後まで貫徹されるべきものなのだ。

 物語から男性を排除する傾向がある点で百合も『けいおん!』と似通ってはいるが、先のような『けいおん!』への批判は百合にはあてはまらないという点で明らかに異なる。この新しい作品受容のあり方は、ゼロ年代までは自明だった「作品を消費する主体としての男性」が、ゼロ年代の終わりから10年代を通して「萌え」の前景化がさらに推し進められ、男性性を疎外するにまで至ることで、だんだんと自明ではなくなっていったという事態から生じたのではないか。

 つまり、かつて「セカイ系」と総称される作品の核をなしていた「オタク男子の自意識」は、10年代を通して根本から揺らいでいった。そして、その揺らぎの兆候は、『ハルヒ』の放送から2年後、または『けいおん!』放送の1年前である2008年に、ニコニコ動画を主な舞台にした『ハルヒ』ブームの中から誕生し、オタク男子たちから戸惑いを伴いながらも支持されたキョン子というキャラクターの存在において、すでに見出すことができるのではないだろうか。この見立ては、牽強付会にすぎるかもしれない。だが、当時、彼女にときめき、ゼロ年代の終わりから10年代にかけてのオタク文化の中で息を吸ってきた私が、今では無事(?)百合好きになっているのは、ごく自然な成り行きだったように思えてならないのだ。

 

*1:動画タイトルのスラッシュは、検索除けのために入っている。ブームが過熱し、「性転換ハルヒ」動画が『ハルヒ』関連動画の検索結果を占拠してしまうという事態になったため、こうした措置が取られた。

*2:「ダルデレ (だるでれ)とは【ピクシブ百科事典】」〈https://dic.pixiv.net/a/%E3%83%80%E3%83%AB%E3%83%87%E3%83%AC

ちなみに、ダルデレはもう使われてないのではないかと思ったが、Twitterで検索するとつい最近でも使っている人はまぁまぁいた。

*3:当時の2ちゃんアンチスレには3月15日の時点で「今性転換タグ見てみたら500件もあったよ 多すぎてワロタ」とレスがついている。

*4:当時の2ちゃんスレ一覧をあげておく。

YouTube

【目覚めたら】ハルヒ性転換シリーズスレ【終わり】 2008/03/05

https://pc11.5ch.net/test/read.cgi/streaming/1204728126/

【目覚めたら】ハルヒ性転換シリーズスレ その2【負け】 2008/03/10

https://pc11.5ch.net/test/read.cgi/streaming/1205104806/

【目覚めたら】ハルヒ性転換シリーズスレ3【負け】 2008/03/27

https://pc11.5ch.net/test/read.cgi/streaming/1206609991/

キョン子ハルヒ性転換シリーズスレ Part04【一姫】 2008/03/20

https://pc11.5ch.net/test/read.cgi/streaming/1211512532/

 

性転換ハルヒアンチスレ 2008/03/12

https://pc11.5ch.net/test/read.cgi/streaming/1205316660/

検索避けもしない性転換等の動画について 2008/03/20

https://pc11.5ch.net/test/read.cgi/streaming/1205939502/

性転換ハルヒアンチスレ part2 2008/04/11

https://pc11.5ch.net/test/read.cgi/streaming/1207903937/

ハルヒ性転換シリーズアンチスレ part3【キョン子(笑)】 2008/08/28

https://pc11.5ch.net/test/read.cgi/streaming/1219933536/

 

なんでもあり板(YouTube板スレから分岐)

【カチューシャ】ハルヒ性転換スレ 2【ポニテ】 2008/03/10

https://tmp7.5ch.net/test/read.cgi/mog2/1205127271/

キョン子は】ハルヒ性転換スレ3【皆の嫁】 2008/03/12

https://tmp7.5ch.net/test/read.cgi/mog2/1205256248/

 

 パー速VIP(なんでもあり板スレから移行)

【涼宮】涼宮ハノレヒ性転換スレ4【晴彦】 2008/03/13

https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1205340403/

 【ハルキ】涼宮ハノレヒ性転換スレ5【晴彦】 2008/03/17

https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1205690060/

 [一姫]涼宮ハルヒ性転換スレ6[古泉] 2008/05/07

https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1210088492

*5:ちなみに「キョン子」タグが付いた動画は、現在242件。

*6:バーチャル美少女受肉おじさんの略で、仮想現実において美少女のアバターで活動する男性のこと。