本を裁断しないで、かつ速く自炊する方法
自炊というと本を裁断をするか、地道にプリンターでスキャンするしかないように思われがちだ。裁断は本をダメにしてしまうし、スキャンもグッと本を何度も押し込んでいたら傷んでしまう。スキャンの場合、時間もかかるし体力も持ってかれるので、何冊も自炊するのは現実的じゃない。
そこで今回は、本を傷めないで、なるべく綺麗に、しかも素早く写真を撮って本を自炊する方法を紹介していく。この方法なら、慣れれば一冊15分くらいで自炊できるようになる。
本を傷めないなら、図書館から借りてきた本を自炊しても問題ない。もう手に入りにくいような古典的な名著やらクソ高いお値段の専門書などを自炊しておくと、いつでも読めて便利だ。
それに本というのはかさばるので、自炊は部屋の片づけにもなる。たしかに紙の本でしか味わえない魅力があるのはわかるけれど、ある程度の量に抑えておきたいものだ。私の場合、学術書は比較的愛着がわかないので、さっさと自炊してメルカリなどで売ってしまっている。
ただし、今回紹介する方法は、そこまで綺麗に画像化できるわけじゃない。下の画像のようにページを開いている親指が映り込むし、ノドの部分は暗くなる。あくまで本を傷めず、読むのに問題ないレベルで画像化できるというだけで、綺麗さは二の次で良いという人向けの方法だ。
必要なもの
もちろん、タダではできない。多少機材をそろえる必要がある。以下が、必要なものになる。
- スマホ
私が所有しているのはiphoneなので、この記事はそれを前提に書いている。 - シャッターリモコン
遠隔でカメラのシャッターを切れるリモコン。iphoneの場合、音量調節&マイクボタンがついている純正イヤホンがあれば、それで代用できる。私はそうしている。 - 三脚とスマホ用のパーツ
スマホを固定するために必要。三脚は高さや向き、カメラの角度が調節できるもの。 - 写真アプリ
最初から入っているものでもできないことはないが、画質などが変更できたほうが便利。私はStageCameraProっていう250円の有料アプリを使っている。いろいろな画質に変更できるので、本のサイズに合わせて使い分けてる。
https://apps.apple.com/jp/app/stagecamerapro-%E9%AB%98%E7%94%BB%E8%B3%AA%E3%83%9E%E3%83%8A%E3%83%BC-%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%83%A9/id906388170 - 書見台
本の位置をずらさずに写真撮影するために必要。スムーズにページをめくれればどんなものでもいい。手前に凹凸のあるパーツがついてるやつは、やりにくいと思う。
- 机と椅子
部屋にあるでしょう。 - PC
撮影した後、画像管理したり編集したりするのに必要。おすすめの編集方法も後で紹介する。
三脚と書見台とアプリを買うとなるとだいたい5千円くらいだ。別に安いわけじゃないが、高すぎるってわけでもない。
自炊のやり方
必要なものリストを見れば、なにをどうするのかなんとなくわかってもらえるだろう。台に本を、三脚にスマホをセットして、一枚一枚ページを手でめくって写真を撮っていく。態勢としては三脚の前に座り、両サイドから手をまわして本をおさえるかたちになる。
ポイントは、書見台によくついている固定具は使わずに手で本をおさえることだ。固定具を使うとカメラに対して紙面が湾曲しすぎてしまい、画像化してもとても読めたものじゃない。それに、毎回1ページ開いては固定具で固定していたら時間がかかりすぎるし、固定具は本が傷む可能性があるので、やっぱり手でやるのが一番いい。そのほうが本の位置調節もしやすい。
そうなると両手がふさがることになるので、シャッターは足で押すことになる。そのために遠隔操作するシャッターリモコンが必要になる。そうすることで、手でページをめくって足でシャッターを切るというサイクルを素早く回して撮影できる。慣れればだいたい一冊15分くらい、薄めの新書だと10分くらいで終わる。
あとはいくつか細かいアドバイス。
ページをめくるうちに書見台が動いていかないように、壁を背するといい。それが無理なら後ろに壁になるような物を置く。
外光はノドの影を強くしてしまうし、安定しないので、作業するときにカーテンを閉めて、部屋の照明だけになるようにしよう。
書見台の角度は、紙面が照らないような角度を自分で見つけること。角度が足りない場合は、台の足場に何か挟もう。私は新書を三冊くらい挟んで本の角度が垂直近くになるよう調節している。
撮影が終わったら画像編集
撮影が終わったらPCに画像データを移動させて、抜けているページがないかまず確認しよう。すこし面倒な作業だが、意外と抜けがあったり、ピントがぼけて読めなかったりする可能性があるので絶対やるように。あとで気づいて、もうその本が手元にない、なんてことになったら目も当てられない。
早く確認するコツは、5回スクロールすればちょうど10ページ進んだことになるので、5枚目のページがちょうど10の倍数とプラス1になっていれば抜けはない。ズレてたら要確認。
確認が終わったら、文字をより読みやすくするために画像を編集しよう。
画像編集にはpicasa3を使う。picasa3は、一括で大量の画像を編集・一括保存できるので、自炊にはうってつけだ。画像をモノクロにして、ハイライトをいじれば下の画像のようになる。ファイルサイズも減ってデータ容量の節約になるので一石二鳥だ。
さらに、マクロツールをインストールして使えば、編集を自動化できる。 私はHiMacroExっていうフリーソフトを使っている。
画像を編集したらタブレットで読もう
一応これで自炊についての説明は終わりになる。
そのまま自炊した画像をPCで読むのももちろんありだけど、私はFireHD8っていうAmazonで売ってるタブレットで読んでいる。セール中は5千円くらいだったけど、今見たら9千円…。8インチはちょうどいい大きさだけど、安い7インチでもいけるっちゃいけると思う。まぁそれでも6千円だけど。次のセールを待つのもありだろう。
もし買うという人がいたら、もともと入ってるビューワーもAmazonアプリストアも貧弱なので、Googleプレイストアを導入して、perfectビューワーっていうアプリを入れると良い。