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【ネタバレ考察】マッドマックス怒りのデスロード 反面教師としてのサンダードーム

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今日というか今さっきマッドマックス怒りのデスロードを見てきた。さすがの前評判だけあって素晴らしい出来だった。今回私は予習として前三作を見ておいたのでそれもあって今作を大いに楽しめた。これから見るという人もぜひ前三作を見てから本作を見ることをお勧めする。若しくは本作を見た後に見てもいいだろう。

というのも、前三作を見ればこの映画の本作がどうしてこれほどまでクレイジーなものに仕上がったのかがわかるからだ。特に三作目のサンダードームがあってこその本作だと思う。

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三作目のマッドマックス/サンダードームは1,2を見てきたファンには不評だった。その教訓を生かして本作が作られたのだと言っていいくらい反面教師としての役割を全うしている。

ここからは本作とサンダードーム両方のネタバレになるので注意されたし。

 

ではサンダードームが不評だった理由を整理してみよう。

 

1. カーアクションが全然ない。サンダードームの売りは1,2と異なりタイトルにもあるサンダードームという檻の中での死闘がメインになっている。といっても全くないわけではなくサンダードームの戦いとカーアクションが半々くらいでとても中途半端な構成だ。しかもカーアクションといっても車対車ではなく列車対車、もはやカーアクションとはいいがたい。これが不評の一番の理由だろう。f:id:noumos:20150720021200j:plain

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2. インターセプターが出てこない。インターセプターは1,2で主人公が乗っていた車で主人公のキャラ付けには欠かせないものであったが2で爆発してなくなってしまう。それでサンダードームではラクダにひかれた幌馬車に乗っている。1,2を見てきた人からすればなんだそれという感じだっただろう。せめてエンジンのついた車に乗れと。

 

3. ストーリーが複雑。サンダードームではバーターシティという町と砂漠のオアシスにあるこどもの国を主人公が行ったり来たりする。そして両者は全く無関係なのだ。ただでさえ要素が増えて複雑なのにストーリーが行き当たりばったりなもんだから余計訳が分からない。1,2は単純なストーリーになっていていい意味でバカでも分かる話になっているので、サンダードームを見て私が求めているのはそこじゃないと困惑する人は多かっただろう。しかもあれだけ苦労したのに最後、行きつく先には子どもたちの望んでいたものはなにもない。

 

4. 主人公がただのいい人。物語の中盤、主人公は子どもの国に流れ着く。そしてそこで原始的な暮らしをしている子どもたちのために行動するのだが、その行動原理がいまいちよくわからず、ただのお人よしにしか見えない。そしてこの国に着くまで主人公がロンゲで小汚い浮浪者みたいな風貌でかっこよくないのもマイナスポイントだ。

 

5. 人が全然死なない。この世界では一応秩序があり、町では掟もあって争いがないようにしているため1,2のように暴力に蹂躙される弱者なるものが存在しない。ここも主人公がお人よしに見えてしまう一因だろう。子どもたちは別に暴力にさらされているわけでもないし、主人公が助ける町の支配者を名乗っていた小人のおっさんは都落ちしただけなので自業自得だ。女性も出てくるがバーターシティの支配者として出てくるので弱者とはむしろ逆方向だ。

 

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6. ボスキャラが怖くない。サンダードームのボスキャラは女性であり、1,2の流れから次は女性となるのはわからなくはないのだが、人を殺すような描写ももちろんなく、あまりにも人間味があふれていて狂気を全く感じない。普通すぎるのだ。前半で主人公と接触して協力関係になってしまうのもいただけない。むしろ彼女を裏切った主人公が悪者のような印象を受けるほどで、これではボスキャラとして失格だ。前半のストーリーが二人の支配者が争うという構造にしたおかげで小物にしか見えなくなってしまっているのも残念なところだ。

 

といった具合で整理がついただろう。

ここまで言っておいて難だが、サンダードームは決して悪い映画ではない。三作中一番お金がかかっているだけあってセットや衣装も凝っているし、いいカットもたくさんあって映画としてはよくできている。ただ1,2という流れでこの作品をみると違和感がありまくりでどうしようもなくダメな作品になってしまうのだ。

 

 

ここから本作、怒りのデスロードを見ていく。さあサンダードームの教訓から本作はどうなったのだろうか。

 

1. カーアクションがすべて。本編の8割がカーアクションになっている。こりゃたまげた。

 

 

2. インターセプターが登場する。冒頭の入りには胸が熱くなる。劇中まったく活躍しなくても、この冒頭でおおマッドマックスが始まるぞ!イェーイ!となれるのでファンは満足であろう。

 

 

3. ストーリーが単純。バカでも分かる。行ってなにもなかったから戻ってくるだけ。それだけなのにドラマとして全く見劣りさせない手腕は素晴らしいの一言。

 

4. 主人公は最初は自分のために行動する。しかし結局自分には無益な人助けをしていて本作でもいい人だが、行動原理はわかるようになっている。自分の妻と子を救えなかったことを悔やんでいるというのが冒頭から描写されるので、後半の主人公の滅私奉公のような行動も無理なく受け入れられる。警察官の経歴を持つだけあって、なんだかんだでヒーローの役回りを演じてしまうのがマックスなのだ。

 

5. 弱者、本作では特に女性が蹂躙されている。冒頭のブクブクに太った女性たちが搾乳されているシーン。これほどインパクトのある蹂躙のされ方はないだろう。そして今作のボスのイモータン・ジョーの正室、側室のような女たちにはいやらしいデザインの貞操帯がつけられており、正室格の女は妊娠しておなかが膨れていてこれもまたインパクトがある。まさしく性奴隷だ。見ていて思わずうわっ…となる。

そして人がバンバン死にまくる。ウォーボーイという全身真っ白の男たちは車を走らせて戦い華々しく散ることが美徳なのだ。イモータン・ジョーを唯一絶対の神として崇めていて、どうみてもこれはBANZAIアタックだ。勇ましく戦って死んだら死んだ仲間たちとともに神として迎えられるとか言ってるし、ああこれはまずいな…と思いながらもやっぱりヒャッハーしてしまう。あんまりこういうことを言うと右の人に怒られそうだがそうなんだから仕方がない。しかも女だろうがお構いなく死ぬ。これぞ男女平等と言わんばかりに。慈悲はない。しかしフェミニズムへの配慮もちゃんとしているというかせざるを得なかった感があるが、いい具合にバランスを取っている。これは最近の映画の流行というか時代性だろうか。海外のフェミニストってそんなに怖いのかな。

 

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6. ボスキャラが超怖い。冒頭の群集の上に立つシーンで俺様はすごいんだぞとビジュアルとして視聴者に見せつけることに成功している。なにせ唯一絶対の神なのだから存在感が半端じゃない。もちろんのことながら極悪人だが、どこか人間味を感じるキャラクターは嫌いにはなれない魅力を持っている。そして主人公と全く接触しない。突然両者は対峙し戦うことになるので緊張感のある戦闘シーンを息をのんで鑑賞することになるのだ。

 

といったようにここまでやるかというくらい、サンダードームでの教訓が生かされていることがわかるだろう。

そのほかにも、前三作のパロディが随所に見られるため前作からのファンも大満足な出来になっているがここではそれをいちいち解説するような野暮なことはしないので実際に見て確認してほしい。

 

とここまで記事を書いて、まだ本作を見てない人に向けて書いているにもかかわらず、ネタバレをしているというよくわからない記事になってしまったが、本作のせいで頭がおかしくなってしまっているのだと笑って済ませてほしい。それくらい興奮させてくれる映画なのだ。

しかし三部作としてあと二作やる計画らしいので、ここまで一作目で成功してしまって後が続くのか、という心配はある。しかし、そのときはまたサンダードームのように反面教師として生かされればいいのだろう。駄作は駄作としてちゃんと役割があるのだ。なので気負いせずに次回作もマッドに作っていってもらいたいと思う。

 

 

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